羽田空港から鹿児島空港まで、飛行機で移動すること約3時間。そして空港に降り立ったのちには、リムジンバスに揺られること約1時間半程度で鹿児島県の中心地へと向かうことができます。
鹿児島の中心駅には、大きな観覧車が回っていて、どこか横浜のみなとみらいを彷彿とさせます。さらに駅から徒歩10分程度歩くと、離島行きフェリーが停泊する埠頭に到着します。
私は今回、GWを利用して鹿児島からフェリーに乗り、1週間程度屋久島に行ってまいりました。実際に行って肌で感じたことも絡めながら、屋久島観光の特徴とともに紹介していきます。
今回私が利用したのは、高速船トッピー・ロケット。乗船場所は、上記地図の赤枠で囲まれた部分。屋久島行きのフェリーの中で、最も速度が速いフェリーになります。時間が節約できる分、他のフェリーと比べると若干割高。時間に余裕がない方には、オススメのフェリーです。
他にも主に2つのフェリーがあります。予算と時間に合わせて、自分にあったフェリーを選んでくださいね。
フェリーはいびすかす フェリー屋久島2 高速船トッピー・ロケット
金額(往復) ¥6,600~ ¥8,900~ ¥15,000
移動時間 5~6時間(種子島経由) 4時間 2~3時間
停泊港 宮之浦港 宮之浦港 宮野港、安房港
1日の本数 片道1本 片道1本 7本
車両積載可否 ○ ○ ×
因みに、これから屋久島へ行くことを考えている方にはいくつか注意点がございます。是非行く前には参考にしていただけると幸いです。
①屋久島内は雨が多い!! ②クレジットカードが(ほぼ)使えない!! ③レンタカーを借りるべし!!
地元の人から話を聞いてもみんな口を揃えて言うのが、屋久島の天気は変わりやすいということ。林芙美子の小説『浮雲』のんかには、月のうち三十五日は雨という言葉も出てきます。余裕を持った旅の計画を立てるようにしましょう。
2018年5月現在、島の中ではクレジットカードを使える場所は土産物屋などほんの一部しかありません。そのため、島に来る前には是非現金を用意しておきましょう。(島内でもATMはあります)
屋久島の交通手段は、バスやタクシーもあることにはありますが、実際に行って思ったのは、どれも本数が少なくとっても不便だということ。地元の人に習ってレンタカーを借りて自由気ままに旅するのがオススメ。

線路はどこまで続く?
世界遺産の屋久島を最も有名にしたのが、巨大な屋久杉の数々。中でも、特に名が知られているのが縄文杉。縄文杉を見ずに、屋久島を語ることはできない!と個人的に思っております。どこか神々しいベールをまとった縄文杉は、長いこと歩かなければならなくても一見の価値ありです。
今回は、小雨が振り絞る中早朝より行ってまいりました。これから行こうと思っている方は、是非前日しっかり睡眠をとって当日に臨むようにしてください!以下私がたどったルートを載せるので、少しでも参考になれば幸いです。
◆4:00 頑張って布団から這い出ます
翌日に備えて、前日はしっかり10時頃に就寝。当日は、早朝3時半に起床して身支度を整えた後、あらかじめ宿で頼んでおいたお弁当を受け取ります。朝と昼両方のご飯を注文するのがオススメです。
◆5:00 宿から移動
私は屋久島ではずっと安房港の近くに宿泊していました。宿からレンタカーで30分ほど移動し、到着したのが屋久杉自然館。さらに屋久島自然館から、バスに乗り換えて揺られること30分。登山口に到着。
◆5:40 登山する前に腹ごしらえ
登山する前に、まずは腹ごしらえ。宿で受け取ったお弁当を早速食べます。お腹を満たした後は、トイレと準備運動を済ませていざトレッキング開始となります!
※ちなみに後日談となりますが、私はどこかへ事前に購入しておいた水のペットボトルを置いてきてしまい、結構悲惨な目にあいました…水分補給だけはこまめにすることが必要です。
◆6:00 〜 7:00 トロッコ道
最初はひたすらトロッコ道を歩きます。現在はさすがに使われていませんが、昔はトロッコがずっと行き交っていたようです。トロッコ道の上を歩いていると、スティーヴキングの『Stand by me』の世界に迷い込んだような気持ちになります。但し、割と道が長いので途中で飽きるかも。一人だと見飽きるので、数人で仲良く会話しながら進んでいくのがベストかと思います。
◆7:40〜 三代杉
トロッコ道を抜けて40分ほどの場所にあるのが「三代杉」です。1500年前に倒れた木の上に新しい芽が根付き、やがて成長していきます。ところがその木も倒れてしまいます。そしてその切り株がさらに更新されて再び大きくなった姿が今の姿。世代を超えて、昔の面影を残しているのもなんだか素敵。自然のたくましさを感じることのできる屋久杉です。
◆9:30〜 扇杉
海の安全を守る神「塩土翁」の名に由来する翁杉が現れます。内部の空洞化が進んだせいで、その上の木の重さに耐えられる倒木しましたが、今でも猛々しい姿を見せてくれます。どこか自然の雄大さを感じることのできる杉だと私個人的には思っています。
◆9:40〜 ウィルソン株
「翁杉」の場所から歩くこと5分程度。開けた場所にあるのがウィルソン杉です。植物学者アーネスト・ウィルソン博士が世界へ発表したことが由来となっている株です。中に入ると、突然ぽっかりとした洞窟が現れます。入って右手の隅から上を見上げると、ハートマークのような写真を撮ることができます。なんだかロマンチックですね。
◆10:20〜 大王杉/夫婦杉
さらに奥へ進むと、縄文杉が発見されるまで屋久島最大とされていた「大王杉」、そこから10分ほど進むと枝が癒合して成長した合体木である「夫婦杉」を目にすることができます。ちなみに写真は全く二つとは関係ない場所の写真です。このころになると水分不足が祟り、冷静な判断力ができなくなっています。(どの杉もなんだか同じように見えてしまうという…笑)
◆11:00〜 縄文杉
いよいよ待ち焦がれていた縄文杉と出会うことができました。屋久島に来る前には、知人が縄文杉は人を選ぶという話をしていました。出会うべきときに門戸を開き、訪問者を受け入れると。その人曰く、周りの人で何度も屋久島に行っても大雨が降ったりと結局たどり着くことができない人もいた、というのです。私がついた時は、雨が降っていましたがそれでも最後までたどり着けてよかったです。小雨が降っていることで、縄文杉には軽くベールがかかっており、その姿がより一層縄文杉を雄々しく見せておりました。
帰りは、元来た道をまた4時間ほどかけて歩きます。その時点で、すでにかなりの大振りの大雨になっていました。カメラを必死に守り、なるべくいそぎ足で道を下っていきます。
因みに、登山時の暗黙のルールとして下山者は登山者とすれ違う時には脇によけるという暗黙の了解があります。私もそのルールに従い、登山者を避けようと脇に逸れたのですが、なんとその機転が仇となり、避けた際濡れた石に足を滑らせて転倒。これから行く方、雨の日は是非足元に気をつけてくださいね。
次のご紹介するのは白谷雲水峡です。最初に縄文杉は必見!という話をさせていただきましたが、フォトジェニック的な要素を求めるのならば、私はむしろこちらを推します。ちょうど私が行った時は、快晴で日の光が木々に反射してとても綺麗でした。個人的に、ジブリの「もののけ姫」のイメージに近かったかなという印象です。起伏も少なく、往復5時間もあれば回ることができるので、登山初心者の方にもオススメ。
◆朝9:00 白谷広場
縄文杉を見に訪れた時よりも、出発時間は遅めです。管理棟にて協力金500円を納め、早速トレッキング開始です。この場所では、鑑賞ポイントや参考タイムを表記したマップを貰うことができます。
◆朝9:10 飛竜落とし

清らかな川のせせらぎ
白谷広場を出て少し歩くと見えてくるのが、巨大な花崗岩の数々です。そこを少し登ると、少し小ぶりな「飛竜落とし」と呼ばれる滝です。訪れた当日は湿度が高く蒸し蒸しとした日で、滝の清らかな音にとても癒されました 笑
◆朝9:30 二代大杉
1代目の切り株に、新たな杉が着生して大きくなった杉です。写真じゃわかりにくいかもしれませんが、とにかく自然の生命を感じることができるほどエネルギッシュな姿でした。間近で見てみるとより一層圧巻です。洞の中には成人の人が丸っと入れます。
◆朝10:00 三本足杉
三方向に分かれた根が大地に踏ん張る足のように見える杉になります。見た目がとにかく他の杉と比べてもユニーク。ぱっと見、今にも動き出しそうな感じがします。もしかしたら夜な夜な一歩ずつ、移動しているのやもしれません。(ちょっとホラー。。。?)
◆朝11:00 奉公杉
ガイドブックによると、見方によっては人の顔に見えるみたいです。太い幹の樹脂に目をこらすと、多くの着生植物が生育しています。どっしりと構えていて、メンタル面は何があっても揺るがない感じ。
◆朝11:20 二代くぐり杉
根元の空洞をくぐる杉が連続しており、ちょっとしたトンネルみたいになっていました。太くどっしりと構えるその姿はどこか悠然としており、何だか異世界に紛れ込んだ気分になるから不思議です。
◆朝11:30 七本杉
白谷雲水峡コースの最後に現れる巨大な屋久杉。コケに覆われた幹の途中から幹が四方八方に分岐していて、根元から見上げると勇ましい姿が浮かび上がります。
◆朝11:40 苔むす森
個人的にはこの場所が一番好き!ちょうど朝日が隙間から差し込んで、それがコケに反射してそれはそれは幻想的な世界でした。ガイドブックによると、ここで皆さん「もののけ姫」に出てくるこだまと一緒に撮っているみたいです。どうせなら私も持って行けばよかった。。。
◆12:00 太鼓岩
そして苔むす森から約40分、ひたすら上に上に登っていくと見えてくるのが「太鼓岩」です。不安定にそびえる岩は、一見すると落ちないか心配になりますが意外と足場はしっかりしているので安心してください 笑 ただ、風が強いので足を踏み外さないよう十分注意してくださいね。ここまでくるのは割と一苦労ですが、太鼓岩から眺める景色はその分格別です。余力があれば是非たどり着いて欲しい場所!
とまあ、駆け足で屋久島について紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?まとまった時間が取れるのであれば是非足を運んでくださいませ!
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