だるまのまんま。

春の陽気な暖かさは好きだ。1月くらいから報道されるようになったコロナウイルスは、気づいたらあっという間に毎日その言葉を聞かない日はないほど、ニュースで取り上げられるようになった。なんとなく電車に乗る時も、友人といる時も周りの様子が気になるようになってしまった。

もう、世界中にいるたくさんの人たちが得体の知れない恐怖に飲み込まれてしまっている、そんな気がした。どこかそんなわけのわからない存在に今のある生活を脅かされたくなくて思わずカメラを手に取って外に出た。世間の暗い報道とは対照的に、外は清々しいくらい晴れ渡る空が広がっていた。凄くきれいな空の色をしていた。

写真で伝えられることは、もしかしたらほぼないに等しいかも知れない。これだけ経済がダウンしている中で、きっと一番最初に切り捨てられてしまうものは生活する上で必須でないものだ。その中にはおそらく写真や音楽や絵といった芸術も含まれると思う。

でも全てを切り捨てることによって失われてしまうものもきっと少なくない気がする。やっぱり人の生活に彩りを与えるのは、そうした芸術だと思う。そうでないと見える世界は白と黒に二色だけになってしまうから。だから今でもわたしは息をすると同時に、その見える世界を写真に収めようとするのだと思う。